野球飯

野球飯22 「ちょこちょこたんぱく質」

先日は富山ヤングさんで食トレのお話をさせていただきました。

保護者の方はもちろん選手からも積極的な質問が出て、モチベーションや食事に関する意識の高さに驚きました。
そのなかで食べるタイミング「ゴールデンタイム」と食べる内容「糖質+たんぱく質+ビタミンC」のお話をしたところ、たんぱく質の摂取がなかなか難しい!、ちょこちょこ食べのおすすめのたんぱく質はありますか?など「ちょこちょこたんぱく質摂取」についての質問が多くありました。

今回は、適切なたんぱく質の量と「ちょこちょこお助けタンパク質」についておさらいしてみましょう。

★たんぱく質はなぜ必要なの??★

毎回の野球飯の講義でも特に強調してお伝えしているので、復習になりますが、たんぱく質は「骨や筋肉など身体を作るもと」になる栄養素です。

たんぱく質が十分に摂取されなければ、せっかく筋力トレーニングで筋肉を破壊しハンプアップしようとしているのに修復できず、破壊されたままになり逆に筋肉量は減ってしまいます。
また、近年では骨を伸ばす=身長を伸ばすにも、骨の成長や修復にたんぱく質が必要なことがわかり、骨の成長にもたんぱく質は必須アイテムと言われています。

★たんぱく質に必要摂取量は??★

これも毎回の野球飯で強調してお伝えしている内容の一つで、皆さんにはおなじみのフレーズになってきているのではないでしょうか。

たんぱく質は体重×1.7~2.0gが必要摂取量と言われています。

例えば、体重=60㎏の選手ならば、体重:60㎏×たんぱく質:2.0g=120gのたんぱく質が必要になります。
たんぱく質は摂取しすぎると、糖質と同じエネルギーに変換されるので、摂取量を大きく上回るとエネルギーとなり、さらに過剰な場合は脂肪として蓄積されます。

★たんぱく質の含有量を大まかに覚えると便利★

たんぱく質の1日の必要摂取量はわかりましたね。
では、各食品にどのくらいの量が含まれているか、大まかに理解していると食品を選んだり摂取量を考えるときに役立ちます。

*肉や魚*

肉はハンバーグ1個分=30gほど(分量にもよります)、魚に切り身1切れ=20gほどになります。

肉は赤身の肉の方が同じ分量でもたんぱく質量は多くなります。
魚の場合も、マグロやカツオなど回遊魚の方が日々筋肉を使用しているため、たんぱく質量が白身魚よりも多く含まれます。

迷ったときや同じ分量でも効率よく摂取したいときは、「赤いもの」を選ぶようにすると間違いないです。

*お助け食材*

肉や魚が苦手だったり、なかなか量が摂取できない場合は、「お助け食材」の活用をお勧めします。

最近はたんぱく質摂取を勧めるフレーズをよく聞くようになりました。サラダチキンやプロテインバーなどたんぱく質量も明記され、たいてい10~15gと1食に必要なタンパク質摂取ができるものが主流です。

プロテインバーやプロテインドリンクもいろいろな味があり手軽に15gのたんぱく質摂取ができます。
主食にはなかなかなりませんが、いろいろなものに追加することが可能で手軽にたんぱく質量を稼ぐことができる食材がたくさんあります。

*たまご*

何回か前の野球飯でも取り上げた完全栄養食品に近い「たまご」はなんにでも取り入れやすく、調理も簡単で冷蔵庫にたいていは常備されている、お助けたんぱく質食材の一つです。
たまご1個=6g前後のたんぱく質量で、毎食摂取すれば20g弱の摂取量になります。

*魚肉ソーセージ*

これもお助けたんぱく質食材の優れものの一つです。魚肉ソーセージ1本=7.5~8.0gのたんぱく質が摂取できます。
たまごと同様になんにでも取り入れやすく、さらにたまごと違って、これ一つで摂取することができます。また、常温で保存が可能で賞味期限も長いので助かります。おやつにも、練習の補助食品にもおすすめの食材です。

最近はプロテインを強化したプロテインソーセージも出ています。これも常温で可能なのでお弁当や補食にも最適です。

*納豆*

これはやや好き嫌いがあるかもしれませんが、納豆も1パック=7.5~8.0gのたんぱく質を含みます。
一緒に摂取すればご飯が進むし、発酵食品なので疲労回復効果も期待できます。

*ツナ・シーチキン*

これも選手たちが大好きな食材の一つだと思います。ツナ缶1缶=10gのたんぱく質を含みます。
ツナもそのままマヨネーズとあえてご飯と摂取するとツナマヨで選手もご飯が進むでしょう。
炒め物や、先ほどのたまごと一緒に調理も楽にできます。

*コンビニもすごい*

お助けちょこちょこたんぱく質はコンビニにもたくさんあります。いろいろ試して飽きないようにするのも長く続けるこつかもしれません。

★困った時は食品の裏の表示を見てみる!★

最近の食品の後ろには必ず「栄養成分表示」がついています。
これを参考にすれば、たんぱく質の量は一目瞭然です。

★ただ、摂取しただけではダメ!!★

はじめにも記載しましたが、たんぱく質は必要量を超えて摂取すると、エネルギーや脂肪に変換されます。
練習や筋力トレーニングで筋肉組織を破壊し、修復をするときにたんぱく質を使って修復し筋肉がより肥大し大きく強い筋肉が作られることになります。

ただ、たんぱく質だけを摂取しても、肥満になるだけで筋肉は育ちません。
練習や筋力トレーニングの修復の時にたんぱく質を十分補給できてはじめて、強く大きな筋肉ができるのです。
たんぱく質摂取だけでは、筋肉は成長しない、練習や筋力トレーニングをしてこそのたんぱく質摂取ということは忘れないでください。

★タイミング:ゴールデンタイムを逃すな★

練習やトレーニングをせずにプロテインだけ飲んでも、筋肉にはなりません。練習やトレーニングでの筋肉破壊後の修復にプロテインは有効なので、ぜひゴールデンタイムの練習やトレーニング終了後の20分以内に糖質+たんぱく質+ビタミンCの摂取を心がけると効果的です。

この記事を書いた人

猪谷 栄

アスリート栄養学インストラクター・看護師
高校まで12年野球を続けた兄と高校1年生の野球息子のママです。
まったく、興味のなかった野球でしたが、息子の応援から始まり「栄養や生活習慣で野球息子をサポートしたい!」という思いが高じて資格を取りました。
栄養や日々の生活での気になることを一緒に考えていきましょう。

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